2021年1月23日
日本DAISYコンソーシアム技術委員会
本文書は一つのEPUB文書全体についての、EPUBアクセシビリティにおけるルビ発見(後述)に関する要求仕様です。アクセシビリティの観点で各EPUBに対してどのようなルビに関する情報があれば、PD(後述)のある人が自分の読書方法や読書手段に最適なEPUBを発見できるかについて説明します。
ここでは本文書で用いる用語を定義します。
制作者、出版社、配信会社等は、EPUBに対してルビの発見に必要な情報を配信時に適切に設定する必要があります。必要な情報が設定されていないと、PDのある人はルビに関して自分の読書方法や読書手段に適合したEPUBを発見できません。
EPUB アクセシビリティ - ルビ表示要求仕様 1.0に記載されているように、ルビのアクセシビリティについては、ルビによる読みの情報を必要とするPDと、逆にルビがあると読みにくいPDに大別され、PDによりルビの発見要求が異なります。
以下に、ルビによる読み情報を必要とするPD、ルビがあると読みにくいPD、健常者やルビに関して特別な配慮を必要としないPDにおけるEPUBの発見についての要求を示します。
ルビによる読み情報を必要とするPDにおけるEPUBの発見要求は次の通りです。
ルビがあると読みにくいPDにおけるEPUBの発見要求は次の通りです。
何らかのルビに関する最適化版のEPUBは、ルビに関する特別な配慮をしていないEPUBと比べると読みにくく感じる健常者やルビに関して特別な配慮を必要としないPDが存在します。また、ルビによる読み情報を必要とするPDが、総ルビ表示でEPUBを読んだ後に、底本通りのルビ表示でEPUBを読みたいといった要求も、ここに含まれます。
健常者やルビに対して特別な配慮を必要としないPDにおけるEPUBの発見要求は次の通りです。
リーディングシステムには配信される各EPUBや、リーディングシステム内の本棚内等の各EPUBが有するルビに関する情報を元に、前述のような発見を行う機能が求められます。
以下に、本要求仕様で言及された文書を示します。