この文書は「EPUB Accessibility 1.1」の日本語訳である。最新の文書は https://www.w3.org/TR/epub-a11y-11/ である。原文もしくは完全な情報は、EPUB Accessibility 1.1 を参照されたい。
この日本語訳は参考である。公式な文書ではなく、翻訳・解釈の正確性を保証していない。
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このドキュメントは、EPUB 出版物のアクセシビリティを検証するためのコンテンツ適合性要求事項を規定する。また、EPUB 出版物の発見可能性のためのアクセシビリティ メタデータ要求事項についても規定する。
このセクションは、発行時点におけるこのドキュメントのステータスについて説明する。他のドキュメントが、このドキュメントに取って代わることがある。現在の W3C 出版物のリスト及びこの技術報告書の最新の改訂版は、https://www.w3.org/TR/ の W3C 技術報告書インデックスに掲載されている。
このドキュメントは、最初の公開草案として、EPUB 3 ワーキング グループによって発行された。このドキュメントは、W3C 勧告になることを意図している。
この仕様の議論は、GitHub イシューで行うことを推奨する。代わりとして、メーリングリストにコメントを送ることもできる。public-epub3@w3.org(購読、アーカイブ)へ送られたい。
最初の公開草案としての発行は、W3C メンバーシップによる承認を意味するものではない。
これは草案のドキュメントであり、他のドキュメントによって、いつでも更新、置き換え、又は廃止される可能性がある。進行中の作業以外のものとしてこのドキュメントを引用することは不適切である。
このドキュメントは、W3C 特許ポリシーの下で運営されているグループによって作成されている。W3C は、そのグループの成果物に関連して行われた特許開示の公開リストをメンテナンスしており、そのページは、特許の開示方法も格納している。Essential Claim(s) を含むと考えられる特許を実際に知っている個人は、W3C 特許ポリシーのセクション 6 に従って情報を開示しなければならない。
このドキュメントは、2020年9月15日 W3C プロセス ドキュメントに準拠する。
このセクションは規定ではない。
このドキュメント、EPUB Accessibility は、EPUB® エコシステムにおける二つの重要なニーズに対応している。
アクセシビリティ メタデータの提供は、EPUB 出版物のユーザビリティに関する情報に基づいた意思決定を容易にする。消費者は、コンテンツの品質を評価し、EPUB 出版物がアクセシブルであることを保証する基準を満たしているかどうかに関わらず、自分固有のニーズに適しているかどうかを判断することができる。最低限、このドキュメントに適合する全ての EPUB 出版物は、§ 2. 発見可能性に記載されているアクセシビリティ メタデータ要求事項を満たしている。
これまでも高度なアクセシビリティを備えた EPUB 出版物の制作は可能であったが、このドキュメントは、コンテンツがアクセシブルであると認定されるための正式な要求事項も定めている。これらの要求事項は、そのコンテンツを評価するための明確なガイドラインのセットを製作者に提供し、品質の保証を可能にする。アクセシブルな EPUB 出版物は、§ 3. アクセシブルな出版物で説明されているアクセシビリティ要求事項を満たすものである。
また、特定のユーザーのニーズに合わせて最適化されたため、幅広いアクセシビリティ要求事項を満たすことができないコンテンツを識別する方法も確立している。最適化された出版物の要求事項は、§ 4. 最適化された出版物で説明されている。
このドキュメントは、EPUB の単一のバージョンを対象としない。規格の将来のバージョンを含む、任意のバージョン又はプロファイルに適合する EPUB 出版物に適応可能なよう設計されている。
理想的には、これらのガイドラインは、オープン ウェブ テクノロジー上に構築された全てのデジタル出版物を評価するのに有益であるが、そのような適用を保証することは、この仕様の範囲外である。
このドキュメントに至った決定の背景については、EPUB Accessibility Frequently Asked Questions [AccessibilityFAQ] を参照されたい。
このセクションは規定ではない。
このドキュメントは、WCAG [WCAG2] が、それらを達成するための達成方法集からアクセシビリティ ガイドラインを分離した方法と同様に、EPUB 出版物のアクセシビリティ要求事項として抽象的なアプローチを採用している。このアプローチは、フォーマットが進化しても安定した状態を保つガイドラインとなる。
このアプローチを容易にするために、手引書の EPUB アクセシビリティ達成方法集 [EPUB-A11Y-TECH-11] ドキュメントは、適合性の達成方法集を概説する。これらの達成方法集は、EPUB の異なるバージョンに対して、このドキュメントの要求事項を満たす方法を説明する。
このセクションは規定ではない。
このドキュメントは、(例えば、EPUB 2 [OPF-201] など)このドキュメントを参照していない旧バージョンのEPUBに適合したコンテンツであっても、任意の EPUB 出版物に適用できるように設計されている。
このような EPUB 出版物の製作者は、このドキュメントのアクセシビリティと発見可能性の要求事項に適合したコンテンツを制作することが奨励される。最新版の EPUB にアップグレードして、最先端のアクセシビリティ機能や達成方法集にアクセスすることも奨励されている。
このドキュメントは、EPUB 3 [EPUB-3] で定義されている以下の用語を使用する。
加えて、[WCAG2] で定義されている支援技術の定義を使用する。
支援技術は、必ずしもリーディング システムとは別個のアプリケーションではない。リーディング システムは、例えば、音声合成再生など、しばしば、単独で動作する支援技術の機能を統合している。
この仕様書にある全てのオーサリング ガイドライン、図、例、及び注釈は、規定ではないとマークされたセクションと同様に、規定ではない。この仕様書の他の全ての項目は、規定である。
このドキュメントのキーワード MAY、MUST、MUST NOT、RECOMMENDED、SHOULD は、次に示すように、全て大文字で表示されている場合に限り、BCP 14 [RFC2119] [RFC8174]に記述されているように解釈される。
このセクションは規定ではない。
ウェブ ページとは異なり、EPUB 出版物は、個人消費のために多くのチャンネルを経由して配信されるように設計されている。EPUB は、電子書籍及び他のデジタル出版物の種類において成功したフォーマットを作ったモデル。しかしながら、このモデルの結果は、出版物のアクセシビリティに関する特定の詳細が、それと一緒に伝わる必要がある。
例えば、発行者と製作者からコンテンツを集めているオンライン書店は、発行者がメタデータを介して通知しない限り、それぞれの提出物に費やされた制作品質を知ることができない。
EPUB 出版物のアクセシブルな品質を、全ての利害関係者によって検出できることを保証することが、第一の関心事である。ユーザーが、EPUB 出版物を購入したり、借りたり、別な方法で入手するとき、EPUB 出版物のユーザビリティを評価できる必要があり、これにはアクセシビリティ要求事項を満たすために作られたアフォーダンスを知る必要がある。
同様に、このドキュメントのアクセシビリティ要求事項を満たしていないコンテンツでも、個々のユーザーのニーズを満たすことができないとは限らない。
豊富なメタデータの提供を通してのみ、ユーザーは、それらのコンテンツが自分に適しているかどうかを判断できる。
全ての EPUB 出版物は、出版物がアクセシビリティ又は最適化の要求事項を満たしているかどうかに関わらず、そのアクセシブルなプロパティを公開するパッケージ ドキュメントにアクセシビリティ メタデータを格納しなければならない(MUST)。
EPUB 出版物には、次のアクセシビリティ メタデータを格納しなければならない(MUST)。
アクセス モード — (例えば、テキスト、視覚、聴覚、触覚など)コンテンツを処理又は理解するために必要な人間の知覚システムや認識能力。
アクセシビリティの機能 — (例えば、代替テキスト、拡張した概要、キャプションなど)コンテンツの全体的なアクセシビリティに貢献する機能や適合。
アクセシビリティの危険性 — (例えば、発光、動作のシミュレーション、サウンドなど)コンテンツが提示する潜在的な危険性。
アクセシビリティの要約 — (例えば、拡張された記述の欠如や特定の危険性など)全ての既知な欠陥の説明を格納する、全体的なアクセシビリティの人間が可読可能な要約。
EPUB 出版物は、次のアクセシビリティ メタデータを格納するべきである(SHOULD)。
十分なアクセス モード — 情報を著しく損失することなくコンテンツを消費するために十分な、ひとつ以上のアクセス モードのセット。EPUB 出版物は、格納するコンテンツの種類に応じて、消費するために十分なアクセス モードのセットを複数持つことができる(すなわち、アクセス モードとは異なり、このプロパティは、例えば音声コンテンツのトランスクリプトを格納など、幅広くアクセシブルでないコンテンツのアフォーダンスを考慮に入れている)。
製作者は、このセクションで指定されていない追加のアクセシビリティ メタデータを格納してもよい(MAY)。
これらプロパティの詳細な情報と EPUB の異なるバージョンに、これらのプロパティを格納する方法は、検出のメタデータの達成方法集 [EPUB-A11Y-TECH-11] を見よ。他のフォーマットにアクセシビリティ メタデータを格納する詳細情報は、DIST-002: 配信レコードにアクセシビリティ メタデータの格納する [EPUB-A11Y-TECH-11] も見よ。
アクセシビリティ メタデータは、リンクされたレコード [EPUB-3] に格納することも可能だが(つまり、link
要素から参照されるメタデータ レコード)、リンクされたレコードのみにそのようなメタデータを格納することは、このドキュメントにおける発見可能性の要求事項を満たさない。
このセクションは規定ではない。
EPUB は、コンテンツをオーサリングするために使用されるコア技術である、HTML や CSS、JavaScript や SVG といったオープン ウェブ プラットフォーム上に構築される。これらの技術の使用は、EPUB 出版物を、確立されたウェブ アクセシビリティ達成方法集を正しく適用するだけで、容易に高度なアクセシビリティをもって作成するができることを意味する。
アクセシブルなウェブ コンテンツを制作のための一次資料は、W3C の Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) [WCAG2] である。このドキュメントは、アクセシブルなコンテンツのベンチマークを確立するために、WCAG で成された大規模な作業を活用し、同じ四つのハイレベルのコンテンツの原則(知覚可能、操作可能、理解可能および堅牢性)が、アクセシブルな EPUB 出版物を作成するための中心となっている。
このセクションは、WCAG で定義された適合性基準を適用する方法を定義し、EPUB 出版物特有の性質に取り組む。
このセクションの要求事項に準拠するように制作された EPUB 出版物は、多種多様なニーズと好みを持つユーザーのために高いアクセシビリティを備えているであろう。
このセクションは規定ではない。
WCAG [WCAG2] 及びその関連した達成方法集は、テーブルから埋め込み型マルチメディア、豊富なセマンティクスに至るまで、ウェブ コンテンツのアクセシビリティに関する問題と解決策の膨大なカバレッジを提供する。これらは、このドキュメントを構築する上での基礎を表している。
このドキュメントは、(例えば、ガイダンスが同期していなかったり、矛盾しているなど)二つの規格間の互換性を崩すリスクがあるので、これらのドキュメントに導入された要求事項または達成方法集を繰り返さない。同時に、要求事項は個々に呼び出されることはないが、アクセシブルな EPUB 出版物を作成する際にその重要性が低下することはない。
その代わりに、このドキュメントは、(単一のページではなくウェブ ドキュメントの集合体としての)EPUB 出版物に WCAG を適用する方法を定義し、追加の要求事項のセットを加える。これらの要求事項は、WCAG で取り上げられているものほど重要ではなく、単純に EPUB 出版物として従うために必要なだけである。(WCAG との関係性は、それぞれのセクションで、各要求事項のために説明される。)
EPUB アクセシビリティ達成方法集ドキュメント [EPUB-A11Y-TECH-11] の達成方法集も同様である。EPUB 出版物に固有又は EPUB 出版物のコンテクストで明確化を必要とする達成方法集のカバレッジを提供する。これは、WCAG 達成方法集の残りの部分は適用されないということを意味しない。
結果として、このセクションは、WCAG 適合性の深い知識がなくても読むことができるが、このドキュメントのアクセシビリティ要求事項を実装するために、WCAG の理解は要求されるだろう。
このドキュメントは、WCAG の一部ではない要求事項が追加されているので、EPUB 出版物は、このドキュメントに適合することなく WCAG に適合することができる。
EPUB 出版物は、この仕様に適合するために、次の要求事項を満たす必要がある。
WCAG 2.0 [WCAG20] の要求事項を満たさなければならないが(MUST)、最新の推奨バージョンに準拠することが強く推奨される(RECOMMENDED)。
レベル A の要求事項を満たさなければならないが(MUST)、レベル AA [WCAG2] を満たすことが強く推奨される(RECOMMENDED)。
これらの要求事項によって提供されるレポートの柔軟性は、どの地域でも有効な要求事項を否定したり上書きしたりすることなく、アクセシビリティが義務づけられている場所で、この仕様を使用できることを保証することである。
例えば、WCAG 2.0 レベル A のベースライン要求事項は、古いコンテンツの後方互換性を製作者に提供し、正式な要求事項が存在しない場合にアクセシブルな制作物の採用を促すための柔軟性を提供することを主な目的としている。一般的に、高度なアクセシビリティを提供するものとして認識されていない。
理想的に、製作者はレベル AA の WCAG の最新版に準拠するように努めるべきであるが、正式な閾値は、地域や国内の法律、又は調達者や配信業者の要求事項によって定義される必要がある。
アクセシビリティに関する法的要求事項の例は、2019年欧州連合(EU)指令や 1973年リハビリテーション法508条(米国)を格納する。EPUB 出版物は、これらの法律に準拠するためには、基本的なレベル A の達成基準以上のものを満たす必要がある。
WCAG に歩調を合わせることは、ユーザーのアクセスを継続的に向上するというメリットがある。ウェブ技術の変化と改善、アクセスを阻害する条件の認識が進化するにつれて、新しい要求事項が規格に追加される。これらの追加の要求事項を満たすことで、EPUB 出版物が最新の達成方法集を採用していることの保証に役立つ。古いバージョンの要求事項を満たすことは、まだ役立つものの、最適な読書体験を失う結果となる可能性がある。
同様に、レベル AA の適合性は、しばしば、法的枠組みやポリシーにおけるアクセシビリティのベンチマークとして引用される。この理由は、現実的に実装できる改善の範囲を最も広く提供するためである(製作者は、可能であれば AAA 要求事項を満たすように試みることを推奨されるが、AAA に完全に適合することは一般的に不可能である)。レベル A を満たすだけでは、様々なユーザー グループに妥協が必要であり、それが再び最適な読書体験を損なう結果となる可能性がある。
WCAG 原則 [WCAG2] は、個々のウェブ ページの評価にフォーカスしているが、EPUB 出版物は、WCAG がウェブ ページの集合「共通の目的を共有するウェブ ページの集合」[WCAG2] として言及しているものに類似している。
従って、EPUB 出版物のアクセシビリティを評価するとき、個々のページ(または EPUB 3 として知られているコンテンツ ドキュメント)を単独で評価することはできない。むしろ、より大きな作品の一部としての全体的なアクセシビリティも評価しなければならない(MUST)。
例えば、出版物が誤った順番でそれらを提示している場合、個々の EPUB コンテンツ ドキュメントが論理的な読み上げ順を持つだけでは十分ではない。同様に、全ての EPUB コンテンツ ドキュメントにタイトルを格納することは、出版物にタイトルを提供することを補完的するものである。いずれかが欠落している場合、全体的なアクセシビリティが影響を受ける。
従って、知覚可能、操作可能、理解可能および堅牢性であるコンテンツの WCAG ガイドラインは、それぞれのコンテンツ ドキュメントだけでなく、EPUB 出版物全体に対しての評価でなければならない(MUST)。
EPUB 出版物にこれらのガイドラインを適用することについての詳細な情報は、EPUB アクセシビリティ達成方法集 [EPUB-A11Y-TECH-11] で利用できる。
EPUB 出版物を評価するとき、WCAG 適合性基準 [WCAG2] は、次のように適用される。
epub:switch
要素 [EPUB-3] を介してコンテンツのスイッチを格納する。よりアクセシブルな再生体験を提供するメディア オーバーレイ [EPUB-3] を構築する。
このセクションは規定ではない。
メディア オーバーレイは、テキストと音声が同期していることから利益を得られる全ての人に、アクセシブルな再生体験を提供する。これらはまた、音声再生のみの要求であったり、テキストのハイライトを伴う読書の利益のみを必要とするユーザーに役立つ。メディア オーバーレイはまた、全てのユーザーのために EPUB 出版物の始めから終わりにかけてシームレスな再生体験を可能にする。
しかしながら、最も基本的なメディア オーバーレイ ドキュメント [EPUB-3] は、リーディング システムに最小の構造のみを提供する。これらは、ハイライトするテキストと、テキストに対応するオーディオ クリップを示している。結果的に、ユーザーは、基本的な再生と停止のオプションのみを利用できる。
製作者は、リーディング システムがより使いやすい体験を提供できるように、メディア オーバーレイ ドキュメントに構造とセマンティクスを追加する必要がある。リッチなマークアップがあれば、リーディング システムは、主要な物語に干渉する二次的なコンテンツを飛び越える能力や、表のように深くネストした構造からユーザーを脱出させたり、目次に行くことなく出版物のセクションを移動する能力を提供できる。
メディア オーバーレイ ドキュメントは、[EPUB-3] の要求事項を満たさなければならない(MUST)。このドキュメントに適合するために、[EPUB-3] で定義されている以上の追加の要求事項を満たす必要はない。
しかしながら、メディア オーバーレイのユーザビリティをさらに良くするために、製作者は、EPUB 出版物を確認することを推奨する。
この基準は、EPUB 出版物にメディア オーバーレイを格納することを製作者に要求するものではなく、存在する時、これらの要求事項への適合を要求する。
このセクションは規定ではない。
メディア オーバーレイ ドキュメントに構造とセマンティックを追加することは、情報及び関係性の達成基準 [WCAG2] の目的におおむね該当する。構造化とセマンティクスな意味のある再生シーケンスがないと、ユーザーからコンテンツのリッチなナビゲーションを奪うことになる。
適合性のレポートは、EPUB パッケージ ドキュメント内のメタデータ プロパティの表現を介して達成される。メタデータは、DCMI メタデータ用語 [DCTERMS] と EPUB アクセシビリティ語彙からプロパティの組み合わせを使用する。
EPUB 出版物が、このドキュメントのアクセシビリティ要求事項に適合していることを示すために、[DCTERMS] の conformsTo
プロパティと a11y:certifiedBy
プロパティを格納しなければならない(MUST)。
conformsTo
プロパティの値は、次の IRI のいずれかでなければならない(MUST)。
ワーキング グループは、このリビジョンの将来の更新で、これらの IDPF ベースの適合性 URL を置き換えるだろう。報告方法もまた、どの WCAG のバージョンが満たされているかについて柔軟性が向上したを反映して、変更される可能性がある。
http://www.idpf.org/epub/a11y/accessibility-20170105.html#wcag-a
EPUB 出版物は、全てのアクセシビリティ要求事項を満たし、WCAG 2.0 レベル A 適合性 [WCAG20] を達成している。
http://www.idpf.org/epub/a11y/accessibility-20170105.html#wcag-aa
EPUB 出版物は、全てのアクセシビリティ要求事項を満たし、WCAG 2.0 レベル AA 適合性 [WCAG20] を達成している。
http://www.idpf.org/epub/a11y/accessibility-20170105.html#wcag-aaa
EPUB 出版物は、全てのアクセシビリティ要求事項を満たし、WCAG 2.0 レベル AAA 適合性 [WCAG20] を達成している。
a11y:certifiedBy
プロパティは、EPUB 出版物を認定する当事者の名前を特定する。
適合性評価は、任意の個人又は当事者によって行うことができる。評価者は、EPUB 出版物を作成した同一人物でも第三者でもよい。
EPUB 出版物が組織によって証明された場合、ユーザーは通常、その組織の名前を知りたいと望むだろう。ユーザーのクレームで信用を低下させることができるため、組織名の代わりに評価を実行する人物の名前を格納することは、一般的に推奨されない。
コンテンツを認定する当事者が、コンテンツを証明する権威を確立する資格や印が公表されている場合、その情報は、a11y:certifierCredential
プロパティで提供される。
コンテンツの証明を行う当事者が、評価の詳細なレポートを提供する場合、評価へのリンクは、a11y:certifierReport
プロパティで提供される。
各メタデータ フォーマットは、表現できるものが一意なので、このドキュメントは、EPUB パッケージ ドキュメントの外で適合性メタデータを表現する方法を強制しない。
このドキュメントは、配布メタデータの一部として EPUB 3 出版物の外部アクセシビリティ メタデータの要求事項を定義しない。内部と外部のアクセシビリティ メタデータ表現の間の一貫性を保証することは、製作者、出版社及び配信者の責任である。アクセシビリティにおける配布の影響は、§ 5. 配信を見よ。
WCAG [WCAG2] は、コンテンツを広くアクセシブルにするための一般的なガイドラインのセットを提供するが、適合するコンテンツが必ずしも特定のユーザー グループにとって最適であるとは限らない。逆に、特定のニーズや読書モダリティに最適化されたコンテンツは、幅広いユーザーのために設計されてないので、WCAG に適合していないことが多い。
例えば、テキストと音声を同期させた EPUB 出版物は、コンテンツの完全な音声録音を含むかもしれないが、主要な見出しのみにテキスト コンテンツを限定できる。この場合、EPUB 出版物は、コンテンツを聴く必要のある(すなわち、完全な出版物を聴くことができ、見出しの間を移動することができる)ユーザーによって消費可能であるが、音声を聴くことができない人にとっては使用できない。
言い換えれば、EPUB 出版物が特定の読書様式に対して最適化されている場合、WCAG 適合性レベルを達成しなかったとしても、意図された読者がアクセスしにくくなるわけではない。
最適化された EPUB 出版物は、[DCTERMS] に従って conformsTo
プロパティでコンテンツが準拠している規格またはガイドラインを、特定しなければならない(MUST)。このプロパティの値は、それが従う標準又はガイドラインを参照する [URL] に従ったURLでなければならない(MUST)。
URL が、(例えば、ガイドラインが公開されていないなど)適合性を理解するのにユーザーにとって十分でない場合、コンテンツが最適化されている方法に関する詳細情報を、アクセシビリティの要約で提供されるべきである(SHOULD)。
このドキュメントは、最適化されたコンテンツを制作するための規格及びガイドラインの定義又は推奨をしない。情報を提供する EPUB Optimized Publication Standards Registry は、このドキュメントとは別に管理されているが、この規格を推奨を意味しない。
アクセシブルな EPUB 出版物の制作は、それ自体が、ユーザーによって入手可能または消費可能であることを保証するものではない。EPUB出版物が配布される方法に応じて、他の要因が、その全体的なアクセシビリティに影響するだろう。
これらの要因の全てが、製作者の管理下にあるわけではない。例えば、アクセシビリティ メタデータの検索とレビューをする機能と同様に、コンテンツを検索と入手のためのアクセシブルなインターフェースは、配布プロセスの重要な部分である。しかしながら、このようなインタフェースは、しばしば、EPUB 出版物の配布は第三者を通じて行われるため、一般的に製作者の管理外である。製作者が独自の配布を管理している場合でも、書店、図書館及び/又はリーディング システムのアクセシビリティは、製作者の管理外になることがある。
しかしながら、例えば、その EPUB 出版物に適用するデジタル著作権など、製作者は、そのコンテンツが配信されたときに、コントロールできる決定がある。これらの決定は、彼らの EPUB 出版物を準備する一部ではないが、ユーザーに対する潜在的な影響は、注意がそれらに支払われる必要があることを意味する。
配布によるアクセシビリティへの影響を最小限に抑えるため、製作者は次の配布方法を準拠することを推奨する。
配信業者は、製作者の瑕疵なしにアクセシビリティを本質的に損なうようなデジタル著作権管理スキームを実装することができる。このセクションのガイダンスに従うことは、製作者が、そのような配信業者の使用を制限することではない。この意図は、(例えば、支援技術によるテキストへのアクセスを制限するなど)製作者が通常ではアクティブにならない機能をアクティブにすることでアクセシビリティを損なうことがないようにすることである。
ワーキング グループは、プライバシーとセキュリティに関連する問題がある場合、将来の草案で取り組む予定である。
この語彙は、パッケージ ドキュメントのメタデータにおける EPUB 出版物のアクセシビリティを記述するためのプロパティを定義する。
この語彙を参照するためのベース URL は、http://www.idpf.org/epub/vocab/package/a11y/#
である。
プレフィックス「a11y:
」は、この語彙のプロパティで使用するために予約されており、パッケージ ドキュメントで宣言する必要はない。
名前: | certifiedBy |
---|---|
概要: | EPUB 出版物のアクセシビリティのテスト及び認証に責任を持つ当事者を特定する。 |
許可された値: | xsd:string |
個数: | ひとつ以上 |
例: |
|
名前: | certifierCredential |
---|---|
概要: | アクセシブルなコンテンツを認証するために、関連する certifiedBy プロパティで識別された当事者の権限を確立する資格又はバッジを識別する。 |
許可された値: | xsd:string |
個数: | 0個又は複数 |
拡張できる対象: |
a11y:certifiedBy
|
例: |
|
名前: | certifierReport |
---|---|
概要: | 関連する certifiedBy プロパティで識別された当事者によって作成されたアクセシビリティ レポートへのリンクを提供する。 |
許可された値: | xsd:anyURI |
個数: | 0個又は複数 |
拡張できる対象: | certifiedBy |
例: |
|
この変更履歴は、EPUB 出版物の適合性に影響を与える、又は同様に注目すべき実質的な変更のみを識別することに注意されたい。
改訂の間に取り上げられた全ての問題のリストについては、ワーキング グループのイシュー トラッカーを参照されたい。
certifierCredential
及び certifierReport
プロパティと例に refines
属性を追加した。イシュー 1410 を参照されたい。このセクションは規定ではない。
編集者は、この仕様に貢献してくれた EPUB3 ワーキング グループのメンバーに感謝する。