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EPUBアクセシビリティ - 縦組・横組発見要求仕様 1.0

2020年11月7日
日本DAISYコンソーシアム技術委員会

はじめに

本文書は一つのEPUB文書全体についての、EPUBアクセシビリティにおける縦組・横組発見（後述）に関する要求仕様です。アクセシビリティの観点で各EPUBに対してどのような縦組あるいは横組に関する情報があれば、PD（後述）のある人が自分の読書方法や読書手段に最適なEPUBを発見できるかについて説明します。

用語の定義

ここでは本文書で用いる用語を定義します。

PD
印刷物の読書に困難のある障害はプリントディスアビリティ（Print Disability）と呼ばれています。本文書ではPDと書きます。PDの具体例については紙の本が読めない 読み難い状況とその原因を参照してください。
発見
PDのある人が自分の読書方法や読書手段に最適なEPUBをオンラインの書店・図書館あるいはリーディングシステムの本棚等から検索によって見つけ出すことを「発見」と定義します。

縦組・横組発見要求

制作者、出版社、配信会社等は、EPUBに対して縦組・横組の発見に必要な情報を配信時に適切に設定する必要があります。必要な情報が設定されていないと、PDのある人は縦組・横組に関して自分の読書方法や読書手段に適合したEPUBを発見できません。

縦組・横組に関してのPDの状況は、次の二つの点に大別できます。

EPUBの縦組・横組みの発見要求としては、以下の要求に大別できます。

記載内容が縦組・横組のどちらを前提としているか

縦組・横組の表示を切り替えられるEPUBの場合、読者は記載内容が縦組を前提としているのか、横組を前提としているかを把握できる必要があります。例えば本文に、縦組を前提とした「左図のように」という表現がある場合、横組で表示した場合には、読者は読み替えを行って理解する必要があります。このため記載内容が縦組・横組のどちらを前提としているかという情報が必要です。

この情報は、縦組・横組の表示を切り替えられるEPUBをリーディングシステムが表示する場合に、縦組と横組のどちらを優先して表示するかにも利用します。

リーディングシステムへの要求事項

リーディングシステムには配信される各EPUBや、リーディングシステム内の本棚内等の各EPUBが有する縦組・横組に関する情報を元に、前述のような発見を行う機能が求められます。